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- 大阪樟蔭女子大学にて開催されたシンポジウムに参加しました。
2017年1月27日に大阪樟蔭女子大学にて開催されたシンポジウムに参加しました。
今年、創立100周年を迎える大阪樟蔭女子大学のライフプランニング学科の公開シンポジウム。
「東大阪市のフードスケープ(食景観)-天下の台所の右はじから-」というテーマで開催されました。
初めに北尾悟学長と今年市政50年を迎える東大阪市の野田義和市長より挨拶がありプログラムが始まりました。
ライフプランニング学科の 濵田信吾講師より「シンポジウムの狙い」についての説明を受け、
東大阪の「フードスケープ(食景観)」を探ることで、私たちの生命を支え、生活を豊かに
美しくしてくれる食の魅力を再発見する手掛かりとしました。
弊社田代珈琲株式会社の代表は「コーヒーのワイナリー化」というテーマで基調スピーチを行いました。
赤道を挟む南北緯25度地帯、コーヒーベルトで栽培されたコーヒーは世界中に輸出され人々に愛されています。
今回は栽培と消費の動向の話と共に近年「ワイナリー化」するコーヒーマーケットの話させていただきました。
約20年前から、コーヒーはワインと同じように土壌や品種による風味特性をポジティブな表現で評価され、
スペシャルティコーヒーという扱いでマーケットに広がっています。生産者から、手に持つカップまでの情報が
開示され、飲む人がその風味特性を感じられるコーヒーの可能性について食の景観を眺める時間となりました。
その後三嶋フーズの常務取締役より物流についての基調スピーチをいただきました。東大阪市は東西に阪神高速道路、
南北に近畿自動車道が整備され、加工された外食や介護食が物流の力で変革・発信されています。
これは「テクノロジーの駆使」にあたります。
後半のパネルディスカッションでは参加者からも活発な意見が出ました。
田代珈琲は1985年に東大阪に移り、個人のお客さま向けの販売を始めました。町工場が移転し、大量商品が減る中、産地に
出向いて取り寄せた高品質コーヒーの取扱にシフトするなかで、東大阪人の「本当に必要なものしか手に入れ
ない」気質により、その価値を伝える力を磨いてきました。
今、あらためて地域に育てられていると感じています。私たちは高品質コーヒーを独自の技術で焙煎、
抽出しお客様に提供する「技術~テクニック」を大切にしています。
濱田信吾講師がこの「テクノロジー」と「テクニック」の2つの語源を遡るとギリシャ語の「techne」という
言葉にたどり着き、これは「知」や「アート」と直接関わる言葉であると述べられました。
会場からは「東大阪は子どもの大好きなカレーの会社「ハウス食品」のおひざ元で、
日本人の特別なご馳走である寿司をものづくりの力で回転スタイルにした「元禄寿司」が布施にあり、
サラリーマンのお酒のお供の焼き鳥をもっと気楽に食べられるスタイルを取りいれた「鳥貴族」の
第1号店が俊徳道でスタートした地。
この貴重な文化はものづくりと食づくりにおいて相反せず重なっているという「食景観」について意見が
上がっていました。
また、萩原雅也学科長の「大学は地域に置かれた持続的な歴史的拠点である」という言葉が印象的でした。
若者が4年間の学業のために集中し、生活を行う拠点。私たちはこれからも「食」というフィルターを東大阪市、
地域で暮らす人とともに眺めていきます。
田代珈琲株式会社